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8/4 【海外サイエンス・実況中継】企業派遣留学

posted Aug 3, 2012, 7:27 PM by Yohei Ishii   [ updated Aug 3, 2012, 7:28 PM ]
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_/ 『海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継』
_/ Aug 2012, Vol. 50, No. 1
_/ カガクシャ・ネットワーク → http://kagakusha.net/
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メルマガ副編集長のブラウン大学, School of Engineering 所属の石井です。
今回は企業派遣留学に関する記事を日系光学メーカー在籍のT研究員に
書いていただきました。
普段の記事とは違い、企業派遣ならではの目標があったようです。
様々な留学方法がありますので、企業派遣も選択肢に上がる方も
いらっしゃるかもしれません。それではお楽しみください。
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Q1.) 出身大学、学部学科、大学院留学先、学部学科を教えてください。

  大阪大学物理学科を学部、修士を卒業後、光学メーカに就職。
8年の勤務後に社命によりアメリカにて光学を学ぶことになる。
入学先はアリゾナ大学College of Optical Sciences の修士コース。

Q2.) キャリアプランについてはいつごろから考えていましたか?

2008年の1月に留学の話があり、勤務後に英語の勉強をスタートした。
2008年の5月に社長から正式に留学OKの承認を頂き、英語の勉強を加速する。
その間留学先として、光学で有名なTop3の大学(ロチェスター、アリゾナ、
フロリダ大学)を候補として選択する。中でもロチェスターとアリゾナが
東と西のTop Universityであることから目標をその2つに絞る。
注)自分の行きたい学科において、大学別のランキングを調査すべきである。
2009年の12月に出願書類の締め切り(TOEFL、推薦書、志望動機、旧大学のスコア)
2009年の2月合格通知
2009年の6月渡米しアリゾナ大学内の英語学校に2カ月在籍
2009年の8月入学
2011年の5月卒業

TOEFL Score 推移



Q3.) 就職先はアカデミアですか?それとも企業就職でしょうか?それは、
どういった分野ですか?大学院研究との関連性はありましたか?

企業から社名にて留学した為、業務に関係する研究をピンポイントで習得に行った
。留学先は光学分野を幅広く扱っているアリゾナ大学College of Optical Sciences
であり、最先端の光学知識を幅広く得られるものであり、将来の開発業務にも
直接関連している。

Q4.)  これから就職活動をする方へのメッセージをお願いします。

海外留学でどのような刺激を受けたか、日本でいるより良かった点を強
調すると良いと思います。
スキルの話でもよいですし、文化、エピソード、すごい人との出会い、
苦労話などでも良いと思います。自分がどのようにユニークであるのか
を知ってもらうことが一番かと思います。
また目標を持って留学した人、そうではない人は見抜かれると思います。
英語が話せるだけの人間では難しいかと思います。

Q5.) 上記で答えられたこと意外で付け加えておきたいことがあれば、お願いします。

私は企業から業務として、先端技術の習得を命じられました。
給与も出ておりましたので普通の学生よりも少し詰め込みの大学生活を
送ったかと思います。修士の1年9カ月というスケジュールでしたので
そうする必要があったのですが、結果的にこれが非常に私の為に
なりました。アリゾナ大学の授業は幅広く深い知識が得られるように
良く整理され組まれており、また学生にも多くの努力を要求するのですが、
この素晴らしい機会を最大化することができたのです。以下にどの
ような点でアメリカの授業が優れているかを述べたいと思います。
そもそも日本の大学の授業の大半は先生方の自己満足のレベルを
出ません。授業も前任の教授のノートの使いまわしだったりし、学生が
付いてこれなくなるのも無理はないと思います。競争原理が働いていないので、
このような教育がまかり通ってしまいます。一方、アメリカの大学では
授業の内容は教授が責任をもってまとめ、学期の初めにコピーセンターで、
1冊20ドル程度で販売します。どれもわかりやすく順序を追って整理されており、
それを元に授業をすすめてくれます。さらに半数ほどの授業はビデオで
録画され、世界に開放されます。また学期の終わりには学生に教授陣の評価を
行わせます。わかるように教えないとここで弾かれることになりますので、
授業の質が向上します。
また日本の大学は留年を厄介者と考えなるべく卒業させようとします。
日本の大学生が高校時代より怠けてしまうのはそのような緩いシステムにも
起因しています。私は日本の大学での6年よりアメリカでの2年の方がよほど
為になりました。これは誇張ではなく事実です。アメリカの大学ではCを
2度取ると追い出されたり、博士課程に進む際にもプレリム(preliminary exam)という試験が
あります。これに2度落ちるとその学部で博士号をもらうことはできません。
日本の高校時代のような緊張感がそこに存在します。この厳しい雰囲気が
私の背中を押してくれたと言えます。アメリカの大学は卒業が大変だと言う
のはこのような理由からです。

最後に世界中から集まってくる優秀な人間達と触れることができると言う
点は、日本の大学では味わえないでしょう。私のいたオプティクスでは
3~4割程度が留学生だったと思います。その多くが各国から奨学金を
勝ち取って留学してきた優秀な人達でした。その彼らが夜12時まで勉強
しているのを見て、少なくともそれ以上の努力が私には必要であることや、
日本での大学生活が本当に甘かったことを痛感しました。小さな世界に
とどまらずいろんな人に出会うことこそが自分を成長させるスパイスで
あると思います。

アメリカでの授業について主に述べてきましたが、もちろんその他の
生活活動全てが貴重な経験となり皆さんを成長させてくれるものと思い
ます。また異国での生活は尻込みするとは思いますが、それ以上に新鮮で
期待に満ちたものになるでしょう。限られた期間の留学です。ぜひ目標や
ゴールを持ってチャレンジしてみてください。きっとその実は将来に
素晴らしい花を咲かすことでしょう。

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編集者自己紹介
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石井洋平
2007年3月 上智大学理工学部物理学科卒業
2007年9月-現在 Brown University, School of Engineering, Materials Science
イオンビームを用いたself-organizedナノパターン作成に関する研究に従事

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