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6/10 【海外サイエンス・実況中継】MIT佐藤さんによる就職活動

posted Jun 8, 2012, 5:52 PM by Yohei Ishii
・大学院留学先、学部学科を教えてください。


マサチューセッツ工科大学、工学部、
航空宇宙工学科の博士課程に在籍しています。
今年の6月に大学を卒業する予定です。


・キャリアプランについてはいつごろから考えていましたか?


キャリアプランについては2011年の1月ごろから考え始めました。
就職先が決定したのが2012年の2月なので、約一年ほど前から考えていたことになります。


・就職先はアカデミアですか?それとも企業就職でしょうか?それは、どういった
分野ですか?大学院研究との関連性はありましたか?


航空機を製造しているボーイング社に企業就職が決定いたしました。
航空エンジンと航空機体の構成に関する研究系の仕事で、大学院の研究とほぼ同じ分野でした。


・就職先をそちらに選んだ動機を教えてください。


航空工学科で博士過程まで進学したこともあり、就職先も航空機産業に深く携われる
企業に就職したいと思っていました。アカデミアではなく企業就職しようと考えた
理由は、より製品に近い所で航空産業に関わりたいと思っていたからです。
また、日本企業に就職するか、海外企業にするかで悩んだのですが、海外の大学を
卒業してすぐのタイミング以外で海外企業に就職するチャンスはなかなか得られない
と思い、海外企業での就職をしようと考えました。
以上の理由を踏まえて就職活動を行い、エンジンメーカーのUnited Technology社と
航空機メーカーのボーイング社に採用を頂き、機体により興味があったためボーイング社
に就職しようと決めました。

・就職活動時期、就職活動のプロセスについてお願いします。どういったプロセスを
経てオファーをいただきましたか?


United Technology社の場合は、修士の時の指導教官がUnited Technology社で働い
ていたこともあり、その指導教官を通して就職活動が始まりました。
ボーイング社の場合は、ボーイングの研究所の所長の方がMITに来る機会があり、
その時に履歴書をお渡ししたのがきっかけになりました。
就職活動の時期はUnited Technology社が2011年1月、ボーイング社が2011年7月頃でした。

採用を頂いた2社とも、おおまかなプロセスはほぼ同じでした。
履歴書を会社の方に渡してから2,3ヶ月後に採用担当の方からメールで連絡があり、
本格的な就職活動が始まりました。このときに担当者の方から会社のホームページに
掲載されている特定のJob Offer に登録するよう指示されました。
サイトに登録して1、2週間後に採用担当の方から連絡があり、電話面接を行いました。
電話面接後1,2ヶ月後に直接面接があり、その面接の2~4週間後にオファーをもらう、
という流れでした。

・実際にあった面接での質問を教えてください。


電話面接では主に履歴書に書いてある項目について詳しい質問をされました。

-学部、修士、博士での研究についてさらに詳しく説明
-課外活動に関する具体的な内容
-その他言語や資格、特技について

会社での面接はほぼ丸一日かかりました。交通費、滞在費は会社に負担して
いただきました。主な面接の内容は:

会社の説明
自分の研究発表 (1時間ほど)
工場見学
社員の方と面接(会話)
等です。

社員の方との面接は同時に1人から3人の方とカジュアルに会話をする、
という形式でした。
主に聞かれた質問は
-研究内容に関するさらに詳しい話
-アカデミアではなく企業就職を選んだ動機
-自分のスキルで自身がある分野、不安な分野

などですが、どちらかというと色々な人と会話をしてこちらの人柄を見る、
という意図が強かったのではないかと思います。

・面接で気をつけることを教えてください。


博士卒の採用活動では、自分の研究発表が大きなウェイトを占めているような気が
するので、できるだけわかりやすく、簡潔に、自分の研究のなにが新しいのか
説明することが大事だと思いました。

・就職活動において重要だと思われたことを教えてください。


私がオファーを頂いた会社はどちらも何かしらのきっかけで会社の重役の方と
直接お話をして履歴書を渡せたところだったので、やはり企業とのコネクションは
大きいのかも知れません。一般的な就職活動のプロセスだと、会社の
ホームページで自分にあったJob Offerを探すことになるのですが、
コネクションがあれば会社の方から登録するJob Offerを選んでくれたり、
新しいOfferを作ってくれたりしました。
個人的に就職活動で一番大きな問題だと感じたのがグリーンカードの有無です。
やはりグリーンカードを持っていないとアメリカでは就職しづらくなるようです。
これは特に軍関係の技術を扱う航空宇宙系の会社等で顕著に見られました。
最後に、採用担当の方は電話、直接面接のほかに、自分が現在所属している
研究室の指導教官にも連絡を取って話を聞くので、大学での自分の評判も
大きく就職に影響してくるのでは、と思っています。

・就職活動での苦労、大学院生生活において就職活動準備としてするべきこと
を教えてください。


前の項目回答も踏まえて、会社とのコネクション作りはできるだけやって
おくことをお勧めしたいです。また、指導教官ともできるだけ良い関係を
保てるといいと思います。
もしアメリカに長く残るつもりであれば、グリーンカードを申請してみるのも
いいかもしれません。


・これから就職活動をする方へのメッセージをお願いします。


個人的に就職活動成功の鍵は、そこまでの自分の努力の積み重ねだと思っています。
面接時の対応も重要だとは思いますが、自分の経験、スキルや評判こそ、
アメリカの企業の方が注目してくる部分だと思うので、自分の夢に向けて
日々努力をしていれば必ず報われます。頑張ってください。

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執筆者自己紹介
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2007年マサチューセッツ工科大学工学部航空工学科卒業
2008年マサチューセッツ工科大学工学部航空工学科修士過程卒業
2012年マサチューセッツ工科大学工学部航空工学科博士過程卒業予定
博士過程では航空機体とエンジンの更なる融合を目指した航空機の機体構成の
最適化の研究をしていました。
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編集者自己紹介
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石井洋平
2007年3月 上智大学理工学部物理学科卒業
2007年9月-現在 Brown University, School of Engineering, Materials Science
イオンビームを用いたself-
organizedナノパターン作成に関する研究に従事

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編集後記
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今回の就職活動記事、またアンケート記事でも就職について触れられているので、
ぜひ就職活動に生かしていただきたいと思います。
最近ボストンでカガクシャネットの方々と食事をさせていただいたのですが、
皆さんすばらしい経歴をお持ちで、私もぜひ後に続きたいと思いました。
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