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【海外サイエンス・実況中継】困ったときには相談してみよう

posted Jan 30, 2012, 11:23 AM by Yunke Song   [ updated Jan 30, 2012, 11:23 AM ]
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_/ 『海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継』
_/ June 2008, Vol. 34, No. 1
_/ カガクシャ・ネットワーク → http://kagakusha.net/
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「留学本では教えてくれない海外大学院のホント~実際の体験から」第4回は、
サウスカロライナ大学の佐藤さんに執筆してもらいました。佐藤さんは、今回
の第二弾メルマガシリーズから参加してくれた「新人」ではありますが、他の
執筆陣とは少し異なる経歴を持っており、アメリカ滞在歴の長い「ベテラン」
でもあります。今回のエッセイでは、その豊富な経験から得た、相談・交渉の
大切さについて書いてくれました。


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留学本では教えてくれない海外大学院のホント~実際の体験から
『困ったときには相談してみよう』
佐藤 修一
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サウスカロライナ大学にて Arnold School of Public Health の Dept. of Ex
ercise Science に所属する佐藤です。ほとんどの皆様、初めまして。私自身
留学本を読んだことがないので、有益な話をできるか疑問ですが、何かお役に
立てれば幸いです。

私の専攻(Applied Physiology)では、博士課程1年次からラボに所属し、授
業を取ること及び教えること(TA:Teaching Assistant)と平行して、リサー
チを進めます。恐らく日本だと、リサーチだけに専念できて実験がはかどるの
でしょうが、ここでは授業料免除と月々のお小遣いのために、最初の2年は教
えることからほぼ逃れられません。一方で、このアシスタントシップは夏学期
もあるため、ラボに予算がなくても学費やお小遣いを心配する必要はありませ
ん。

ただこのアシスタントシップ、逆にどうしても休まないといけないときにネッ
クになります。学部側は学期のかなり前から大学院生に先生として授業を割り
当てていて、一方で学生側はもし休めば、収入がその時期0になるからです。

ここで私自身の話をすると、日本で大学院(修士)を卒業後、4年弱会社で働
きました。その時貯めた資金でアメリカに留学したのですが、専攻を変えて別
の職についていたこともあり、学生として博士号を指す所に来るのに、6年の
歳月が経っていました。ただ金銭的には、この間一度も親に頼ることなく出来
たのが、自分の支えであり、成果でした。ところが、博士課程に入ってから、
さらに結婚も控えることになりました。おいおいそれは卒業まで我慢しろ、と
いう声も聞こえてきそうですが、何事もタイミングです。相手は日本に在住す
る方で、式も日本でと考えていたので、どうしても休みを取って日本に戻る必
要がありました。しかし一方で、日本帰国中でも、家賃支払いなど一定額のお
金は、どうしても欲しいのが私の正直な所でした。

お金のことと結婚準備の休みの長さ、この二つをラボの上司に相談しました。
調整のために多少の時間はかかりましたが、昨夏と冬に約3週間休みをくれ、
さらに、居ない間の分も別な時に多く働くことで、給与を継続してくれるよう
手配してくれました。大変有難い考慮でした。実際、穴埋めのための労働時間
はまた別な大変さでしたが(笑)、昨冬無事結婚式を挙げることが出来、また
博士課程の学生としても、特に周りに遅れを取ることなく、現在に至っていま
す。蛇足になりますが、その後、妻がこちらに遊びに来たときには、初めての
土地でも早く知り合いが出来るよう、先生が家族総出で歓迎のホームパーティ
を開いてくれました。

博士課程は長いし、年齢的にも自分のこと、家族のことでいろいろなことが起
こりうるかと思います。ましてや異国でのこと、なかなか思うように対処がで
きるとも限らず、留学を断念せざるを得ないと思うこともあるでしょう。その
時は、是非上司などに相談してみることを、私の経験からお奨めします。アメ
リカの先生は、その点かなり柔軟性があるように思いますし、状況を理解もし
てくれます。逆に言葉は悪いですが、先生にとって育ちつつある自分のラボの
労働力を、途中少し休ませるのを渋って失うのは長期的に見て痛手でしょうし
ね(笑)。


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自己紹介
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佐藤修一
上智大学理工学研究科化学専攻修士課程卒、4年弱の会社勤め(営業)を 経
て2000年1月に渡米。南ミシシッピ大学アスレティックトレーニング学 
科卒 ( BS), NATA 公認アスレティックトレーナーとなる。クイニピアック 大
学 (CT) に1年在籍後、南ミシシッピ大学で運動科学学科卒 (MS). ハリケ ー
ンカトリーナ被災のため当地で1年間 PT クリニック勤務を経て、2006年
7月より、現在のサウスカロライナ大学運動科学学科博士過程在籍。もうす 
ぐ3年目に入る所。


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編集後記
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運動科学科 (Exercise Science) という学科は余り馴染みがないかも知れませ
んが、通常医学部、公衆衛生学部(うち)、もしくは教育学部に所属します。
その名の通り主に運動と健康について追求する所です。

私のラボメンバーはその学科名にふさわしく、先生を筆頭に皆大学の一部リー
グで部活経験者です。先生は全米で1、2位を争う大学のフットボール選手でし
たし、院生では元プロのアイスホッケー選手もいます。選手生活が終わり年齢
が少し経ってからも学問に戻れる点はアメリカの教育システムのいい所だと私
は思っています。(佐藤)


私の所属する学科では、入学から1年半後に、Ph.D. 学生として残れるかどう
かの関門試験 (Qualifying Exam) を受けるのが一般的です。同じ研究室の友
人は、ちょうどその頃に結婚式を予定していたため、学科長と相談して、試験
を1年延期してもらいました。(山本)


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