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【海外サイエンス実況中継・特別号】大学院留学:誰にでもすすめるわけではないアメリカ留学

posted Jan 9, 2012, 9:18 AM by Yunke Song   [ updated Jan 9, 2012, 9:18 AM ]
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_/ 『海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継』 
_/  June 2007 Vol 10 No 2 
_/  カガクシャ・ネットワーク → http://kagakusha.net/ 
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今週は、なぜアメリカの大学院を選んだか,の特別号。先週に引き続き、
ミネソタ大の石井さんです。先週は土壌学について紹介してくれました
http://blog.mag2.com/m/log/0000220966/)。
今週は、アメリカの大学院に留学した動機を語ってくれます。また、基礎
科学系と応用科学系とで、大学院のシステムが違うことを指摘されています。



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なぜ日本でなくアメリカの大学院を選んだのか?
                             石井 聡
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研究者を志していた私にとって、海外での研究生活は、視野を広げ、仲間を
増やし、さまざまな経験を積むうえで必須のプロセスと考えていました。
もともとは、日本で博士を取ってからポスドクとして海外留学をしようと
思っていたのですが、考えが変わったのは大学3年生のとき、配属を希望し
ていた研究室の教授が、私の学部卒業と同時に退官されるということを知っ
たことがきっかけでした。それなら学部卒業と同時に大学院留学するか、
ということになったのです。同じ学科に、アメリカ大学院留学に関する著書
もある東原和成先生がおり、相談しやすかったことも私を後押ししてくれま
した。

さて、どこに留学しようか、と考えたとき、真っ先に浮かんだのはアメリカ
でした。なぜならアメリカは農業大国だからです。小麦やトウモロコシ、
大豆等の穀物や、牛肉等を国外に輸出しています。農業(土壌学)を専攻し
ていた私にとって、アメリカが留学先になった自然なことでした。アメリカ
のなかでも、穀物地帯である中西部が農業の研究が盛んだったので、Iowa 
State Universityを進学先に選びました。

ひとつ計算ちがいだったことは、アメリカの大学院システムは、すべて修士・
博士の一環教育だと思っていたことです。つまり、大学院入学後1、2年で
Qualifying Examを受け、合格したらPh.D.コースへ、不合格だったら
(または修士の学位を希望したら)マスターコースへ配属される、という仕
組みだと思っていたのです。実際にこのような仕組みは医学系や基礎科学系
で一般的ですが、農学や工学のような応用科学系では、Ph.D.コース入学
の必須条件として修士取得が挙げられていることが多いようです。

日本の書店で売られている大学院留学の本の著者(上述の東原先生を含む)
は、医学系や基礎科学系留学の人が多いので、修士・博士一環教育を紹介
していることがほとんどです。日本における大学院留学の情報には偏りが
あるな、と実感しました。

なんらかの手違いでIowa State UniversityにはPh.D.コースの学生
として受け入れられましたが、入学後に修士を持っていないことを告げると、
マスターコースに配属させられました。当時は不満でしたが、いまから思う
と基礎をしっかり学ぶことができ、研究の幅も広がってよかったな、と思い
ます。修士取得後はIowaの北、Minnesotaに移り、Ph.D.を取得すべく
研究に励んでいます。

学部(東大)、修士(アイオワ)、博士(ミネソタ)、と3つの大学を移り渡って
きた私ですが、それぞれに良い点、悪い点がありました。学部ときの研究室
では、卒業後に留学することを初期から公言していたため、1年で完結する
ようなテーマを与えてもらい、実験の基礎をいろいろ教えてもらいました。
いまでも当時学んだことが役に立っています。私の研究者としての基礎は
その頃に培われたものといえましょう。

修士のときは、授業が多く、実験に割ける時間があまり取れませんでした。
多くの修士課程の学生が2年で卒業できないのは、このためでしょう(3?4年
というのはめずらしいことではありません)。当時は日本にいたときのほう
が実験に集中できたなあ、とぼやいていたものです。ただ、修士のときに
授業で学んだ基礎知識は、その後の研究において役に立っています。

博士課程に進学後も、最初の1年はQualifying Exam等であまり実験が
できませんでしたが、その後ようやく実験に本腰を入れられるようになった
という感じです。

カガクシャネットの趣旨に反してしまうかもしれませんが、私は誰にでも
アメリカ留学を進めるわけではありません。日本の大学院のほうが、実験に
割ける時間は多いでしょう。アメリカ大学院では授業の負担は大きいですが、
幅広い体系的な知識やプロポーザルを書く練習等は、その後の研究生活に
役に立つはずです。

英語でのプレゼンテーションやディスカッション技術が身につく、というの
もアメリカ大学院留学のメリットのひとつですが、それはあまり本質的な
ことではないと思います。確かに学部にいたころの私は、日本人は英語での
発表がうまくないから、いい研究をしていても世界的にあまり認めてもらえ
ない、と思っていました。それは大学院留学の動機のひとつでもあります。
しかし、研究生活が長くなるにつれて、いい研究をしている人は英語がうま
くなくても伝わるものだ、と実感するようになりいました。先日、日本から
招待されていた教授のセミナーは英語はいまいちでしたが、内容はすばら
しく、最後は拍手喝采でした。

これを読んでいるあなたが大学院留学すべきかどうか迷っているのなら、
自分は将来何をしたいのか、そのためには日本・アメリカ・その他海外、
どこで学位を取ったほうがいいのか、をよく考えてください。さらに、日本
でもアメリカでも、大学院生活は研究室(特に人柄、業績、研究費)に左右
されるので、いいボスを選ぶように心がけてください。事前に研究室を
訪問されることを強く勧めます。

それではGood luck!



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自己紹介 
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石井 聡 (いしいさとし)
2001年東京大学生命化学専修(旧農芸化学科)卒業。2003年アイオワ州立
大学 (Iowa State University, Ames, Iowa) 土壌学科にて修士号
取得。現在、ミネソタ大学(University of Minnesota, St. Paul, 
Minnesota) で土壌科学(専攻)と微生物生態学(副専攻)の博士課程に
在籍。2007年博士号取得予定。



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編集後記 
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先週はトロントでの学会に参加してきました。自分の研究成果をポスター
発表して、最新の情報を得てきました。学会ではオンラインで履歴書や自分
の興味を投稿して、ポスドク探しに役立てるというコーナーがありました。
私も何人かの先生と話をし、インタビューも受けてきました。

意外に思われるかもしれませんが、実力主義のアメリカでも教授のコネと
いうのは重要です。教授が知り合いどうしの場合のほうが、ポスドク話が
スムーズにいくことが多かったです。

まだどこに行くかわかりませんが、自分に合ったポスドク先を見つけられれ
ばいいな、と思っています。
(石井)



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