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【海外サイエンス実況中継・特別号】大学院留学:日本からドイツ、ドイツからアメリカ、そしてアメリカからドイツへ

posted Jan 9, 2012, 9:10 AM by Yunke Song   [ updated Jan 9, 2012, 9:10 AM ]
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_/ 『海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継』 
_/  March 2007 Vol 4 No 2 
_/  カガクシャ・ネットワーク → http://kagakusha.net/ 
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なぜアメリカの大学院を選んだか、の特別号です。今週も引き続き、
カリスマ的元祖メールマガジン発行者・ミユキさんです。
「アメリカでサイエンス」http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/2291/


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なぜ日本でなくアメリカの大学院を選んだのか?
                            ミユキ 
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私がアメリカで大学院に行くことを決心したいきさつについて書く・・・と
いうことですが、偶然によるところが多く、あんまり参考にならないかも
しれないということを、はじめにお断りしておきます。

私は日本の地方国立大学で、獣医学を学びました。4年生になると残り三年
間を過ごす研究室に所属して、修論に値する仕事をしなければなりません。
そのころまでに臨床の「ファジーさ」に嫌気がさしていた私は、解剖学
研究室に入り、地味に組織学の研究をしていました。そうしているうちに、
うっかり「文部省派遣交換留学制度」を見つけてしまい、好奇心からテスト
を受け、合格してドイツに留学しました。

大学院生とポスドクしかいない研究室にぽんと放り込まれ、だれにもかまっ
てもらえず、図書館で本を開いては居眠りする生活があまりに退屈だった
ので、とあるポスドクと話したことから研究計画をひねりだし、先生方の
賛同を得てひとつのプロジェクトを仕上げました。実験自体は夏休みの自由
研究をちょっと小難しくした感じでしたが、それが認められて、アメリカで
博士号をとらないかとお誘いがかかり、二つ返事で日本の大学卒業後に
渡米となりました。

それは畜産分野だったのですが・・・そこで私の実験計画や結果のディス
カッションが絶賛されるたびに、「本当にこれでいいのだろうか・・・」と
不安に思っていましたが、それが確信に変わったのは、脳神経学の授業を
取ったとき。私が数ヶ月必死に勉強して立てた仮説は、授業中に30分ほどで
「既知のもの」として流れていきました。もともと楽しい大学生活を田舎で
謳歌し、最新の科学なんて何にも知らないのは自覚済み。このままでは日本
に帰っても職がない!今すぐちゃんと基礎から生命科学を学ばなければ!
と、医学部の脳神経学に進路変更を決定したのでした。

一応アメリカのほかに、日本とカナダとオランダとドイツの大学院を調べた
のですが・・・学費、奨学金が出ないかもという点で、日本とカナダの一部
が脱落。基礎となる勉強を授業としてオファーしてくれない日本とカナダと
オランダとドイツとアメリカの一部が脱落。残ったのはいくつかのアメリカ
の大学院のみ。

「私の今までの経歴では科学者として全然だめなんです。基礎からしっかり
学びたい。私は成績だってよくないし、実績もない。でも貴大学院でクラス
を取り基礎を固め、じっくり実験技術を学んで、しっかり地に足をつけた
脳神経学者になりたいんです!だからお願いします!!」
という、涙ながらにすがった「お願いレター」で書類審査を突破。きらきら
した目で「私、本当に感動してます。ここであなたたちと一緒に研究した
い!」と訴え、面接も第一候補グループで合格しました。苔の一念、岩をも
通す、とか言うやつですね。

まあもともと頭がよかったわけでもないし、理系だったわけでもないんで、
今でも研究者としては鳴かず飛ばずではあります。が、なんとか食べていけ
てるし、まあごまんといる普通の研究者なのではないかと。アメリカは赤
ちゃんのように学生の面倒を見てくれるので、凡才留学生としては大変あり
がたかったです。

難を言えば・・・私はアメリカで生活すること自体は、あまり好きではな
かったんです。でもアメリカにいると、アメリカでの就職状況や労働ビザ
状況などは見えてきますが、外国の状況は日本も含めブラックボックス。
アメリカ脱出計画兼就職活動は難航しました。「科学者年齢」が若いうちに
海外に出るには、ある程度将来もそちらに残る覚悟がいるかもしれないと
思います。

また、まだ科学者として自己確立ができてないうちに海外に出てしまうのは、
ある意味、時間の無駄という危険性を孕んでいるように思います。セミナー
や授業など、日本で日本語で勉強したらもっと効率よく勉強できただろう
なあー、とよく思っていました。そしてよく先生方に泣きついて補習して
もらってました。今ドイツにいますが、ドイツ語のセミナーを聞くたびに
「また一年ぐらい無駄になるのか」と悔しく思っています。その上・・・
日本でまったく基礎がなかった私は、今日本に帰っても、日本語で研究の話
なんてできません。まだドイツ語でやれと言われた方がましかも。いずれ
日本に帰る・・・というオプションを捨て去ってはいない私にとって、
結構痛い点です。

まあだからといって海外に出たことを後悔しているかというと、してないん
ですけども。でも出なかったとしても、後悔してないんじゃないかな。研究
も生活も結局はどこででもできるんで、食べ物があうとか天気がいいとか
税金が安いとかカヤックができるとか乗馬ができるとか、そんなことで行き
先を決めると楽しくていいんじゃないかと、私なんかは思いますねえ。



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自己紹介 
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ミユキ
獣医師にして、あと数ヶ月で駆け出しの脳神経科学「哲学博士」。神秘的な
生命現象と蛋白などのマテリアルの間に挟まってる大きなブラックボックス
の解明を目指しています。就職活動として、これから一生研究していくかも
しれない「神秘的な生命現象」のショッピング中。「老化」とか「痴呆」
とか「狂気」とか「鬱」とか「記憶」とかがショッピングリストに入って
います。


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編集後記 
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前回のメールマガジンで杉井さんが「アメリカでサイエンス」のことを書い
てくださったのですが・・・サイエンス界も狭いためあまりにきわどいこと
も書けず、またいろいろ山と谷も越えなければならなかったため、なかなか
書けなくなって、もうほとんど消えかけています。後一・二回書いて終わり
にするという「廃刊のお知らせ」を書こうとしてそのままという状況ですの
で、おお!と思った方々、期待させてしまってごめんなさい・・・
(ミユキ)


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