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【海外サイエンス・実況中継・特別号】 大学院留学:獣医になる夢から、船乗りの父から聞いたあこがれの海外へ

posted Jan 9, 2012, 9:31 AM by Yunke Song   [ updated Jan 9, 2012, 9:31 AM ]
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_/ 『海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継』 
_/  December 2007 Vol 24 No 1
_/  カガクシャ・ネットワーク → http://kagakusha.net/ 
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★★★お知らせ★★★
2007年メールマガジン大賞「教育・研究部門」にノミネートされました
よろしければ、本メルマガの投票をよろしくお願いいたします!
(投票してくださった方には抽選で「まぐまぐ」からのプレゼントが
当たります)
http://www.mag2.com/events/mag2year/2007/
マガジンタイトル「 海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継」
マガジンID:0000220966
★★★★★★★★★★


今週は、なぜアメリカの大学院を選んだか、の特別号をお送りします。今号
は、 獣医学部を卒業後、渡米された中山由実さんが、留学した動機につい
て語ってくれます。生命科学研究でいま最も“ホット”な場所の一つである
ウィスコンシン大学マディソン校で、免疫学を研究している中山さん。
「獣医学科に行きたいという夢」を実現したあと、もう一つの夢であった
「幼い頃からの海外へのあこがれ」を実現するに至った経緯とは?
(杉井)



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なぜ日本でなくアメリカの大学院を選んだのか?
                          中山 由実
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私の父親は船乗りだったため、私は幼いころから強く海外にあこがれていま
した。実際の様子を知っていた父は、むしろ、そんなにいいところではない、
日本が一番だ、大陸は危険だ、と海外に行くことを薦めたことは一度もあり
ませんでした。しかし、折々に話してくれた海外での生活、人々の様子、い
つも買ってきたくれたいろいろなお土産などから、見たことのない海の向こ
うへ想いは膨らむばかりでした。

それとは別に、私は生き物が大好きで獣医になりたいという夢がありました。
理由は単純に、動物と接することが仕事にできるからというだけでしたが、
獣医になるということと海外で生活することは、あまりにもかけ離れていた
ため、当時はどうすればいいのか見当もつきませんでした。

高校まで海外で生活する機会もなく、ずっと日本で教育を受けてきた私に
とって、獣医学をいきなり英語で勉強するのはハードルが高すぎると考え、
大学受験では迷わずに日本の大学を受験しました。大学入学後、教養の2年
間で、外国人教師(アメリカ人またはオーストラリア人でした)のクラスを
とるたびに話を聞いていたので、アメリカの大学生活についても知る機会が
増えました。

すでに大学生だった私は、そのころから海外の大学院に進学するのはどうか
と考え始めました。私は海外で生活したいと思いつつも、様々な言語を積極
的に勉強したわけでもなく、英語は人並み以上にがんばっていたものの、
第二外国語のスペイン語は日常会話がやっとできる程度だったので、現実的
に行き先は英語圏に限られていました。日本で頑張っただけの英語力でどこ
までできるのかは不安でもあり、興味深くもありました。

希望通り獣医学科に進んでからは研究室に配属され、6年生で卒業するまで
かなり本格的な研究テーマを与えられました。臨床を学ぶために動物病院で
の実習もあったので、臨床と基礎研究の両方を見ることができたのは、後の
進路を決める際に役立ったと思います。研究室には当然大学院生がいるので、
日本の大学院のシステム、大学院生の生活について、しっかり見ることが
できました。同時に、海外の大学院についても調べていたので、メリットや
デメリットについても、自分なりに考えられるようになりました。アメリカ
の大学院がもっとも数が多く、情報も入りやすかったため、アメリカの大学
院に行こうと決めました。

決めた理由はいくつかありますが、皆さんが書かれているように、一番は
経済的に一応は独立できる点です。大学まで出させてもらったら、親には
迷惑をかけたくなかったので、好きな道に進みつつ経済的援助を親から受け
なくていい点は、非常に魅力的でした。

また、自分自身を振り返ると、勉強したことは自分の研究テーマにかかわる
ことばかりだったので、全体をしっかり勉強したいと思うようになりました。
日本の大学院生は授業などにはほとんど出ることはなく、一人ひとりで必要
なことを勉強していましたが、アメリカの大学院はコースワークがしっかり
しており、始めの数年間は研究もしつつ、勉強を体系だててできるのです。
アメリカの大学生、大学院生は非常に熱心に勉強すること、先生方も大学院
生を一人前の研究者としてトレーニングする意識が高いと聞いていたことも、
アメリカの大学院で勉強したいと思った理由のひとつです。

そのころ、臨床の実習で、免疫系の病気で使われている薬が、それぞれに
どう作用するかというメカニズムは完全には解明されていないにもかかわら
ず、効くことを知り、免疫の研究に興味を持ちました。自分が研究していた
テーマも、ウィルスやホストの反応を見るという点で、免疫にも関係があり、
免疫学をしっかり勉強したいと思うようになりました。私の調べた大学の
ほとんどは免疫学が独立した学科として成り立っており、一言に免疫といっ
ても、さまざまな見方があることも魅力でした。

アメリカの大学院に行くと決めてからは、どうやったら実現するのか、とに
かく調べ始めました。当時の担当教授には驚かれ、心配されましたが、幸い、
同級生に同じ様にアメリカの大学院を目指す友人がいたので、情報を交換し
つつ、励ましあってがんばることができました。

アメリカの大学院には世界中から学生が集まるので、競争率は非常に高く、
GREやTOEFLでインドや中国の学生に差をつけられるため、ほかの事でアピー
ルしようと必死でした。実際に大学を訪問して、いろいろな教授と話したり、
町の住みやすさを見たりして、最終的に5校ほどに絞りました。

幸い、現ボスがすんなりと受け入れてくれ、さらに始業の秋学期まで待たず
に始めてほしいということだったので、私は2003年の6月にウィスコンシン
のマディソンにやってきました。今、5年目に入り、そろそろ卒業とその後
について考えているところです。

この4年間で学んだことは、このエッセイには書ききれません。実際に研究
だけでなく、プレゼンテーションの仕方から、学生のトレーニング、ラボの
人間関係、国や文化の違いなど、様々な面で成長したと思います。日本を外
から見て新しくわかったこともたくさんありますし、来て見なければわから
なかったアメリカのこともたくさんあります。

私は日本の大学院にいったことはないので、長所短所を挙げることはできま
せんが、日本での就職を希望する場合は、日本に何らかのつながりがある
ほうがいいと思います。

それに、日本では自分の研究についてだけ勉強するのが物足りなかったと書
きましたが、実際には、こちらのコースワークは、まれにですが、あまりに
も自分の研究とかけ離れていて、なぜこんなことを覚えなければならないの
か、、と思うこともありました。

もちろん、熱心に勉強する人は、どこにいても熱心でしょうし、日本にも
すばらしい研究者、教育者はたくさんいると思います。両方の可能性を十分
に考えた上で、自分にとって何がより重要かを決めることが大切だと思い
ます。



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自己紹介 
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中山 由実 (なかやまゆみ)
2003年 東京大学農学部獣医学課程卒業。2003年6月よりUniversity 
of Wisconsin-Madisonで大学院生として免疫の勉強をしています。
来年にはPh.Dを取得したいと思っています。卒業後の進路はただいま
考え中で、kagakushaネットの先輩方のアドバイスをいただいています。



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編集後記 
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メールマガジンの発行が決まったときから、私も何か協力できれば!と思っ
ていたのですが、結局なかなか書けずにいました。
今回、あまり時間をかけずに、当時のことを思い出しながら書いただけなの
ですが、これから大学院を目指す人の参考になれば、と思います。
(中山)


2007年も残すところあと1ヶ月を切り、日本は師走となりましたね。
今年1月初旬に始まった当メールマガジンも、おかげさまで無事に一年を
乗り切ることができました。来年は新たなテーマで、構想を練っている
ところです。

もしこのメルマガが皆様にとって、「少しでも興味が持てた」「面白いエッ
セイがあった」「参考になった」などなど、少しでも良かったと感じてもら
えましたら、「2007年まぐまぐ大賞」への投票をお願いいたします。
締め切りがすぐ目前(日本時間・月曜日午前10時30分まであと1日)
となりました。

http://www.mag2.com/events/mag2year/2007/

「教育・研究部門」で、
タイトル「海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継」
マガジンID: 0000220966

に、簡単に選んだ理由とメールアドレス(まぐまぐからプレゼント当選者へ
の連絡のためだけに使用するそうです)を添えてください。来年に向けて、
われわれを勇気づけてくださると、この上なくうれしいです。
(杉井)



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